2018/2/11@八王子セミナーハウス


環境教育の専門家・実践者が集う「環境教育関東ミーティング」というイベントで、コラボレーション講座を開催いたしました。今回は、ワークショップレポートを2回にわけてご紹介します。

前回の記事(レポート①)ではワークショップレポートを、②は私の感想コラムとなります。

 

 

▪︎木簡の魅力:過去×未来

昨年の夏以来、久しぶりに木簡づくりワークショップを行いました。今回もとても面白かったです!大人も子供も夢中になる木簡の魅力は、たくさんあります。シンプルな構造、自由さ、軽さ、スキマ、独特の製作過程、木にかく体験、簡単に完成度の高い唯一無二の本ができます。本だけでなく、看板やタペストリーになるところも面白いですね!

今回発見した木簡の新しい魅力、それは古さと新しさ。木簡は、過去と未来を内包しているのです。2500年という歴史をもちながらも現在をも軽々と越え、もはや何十周もまわって新しさすら感じる木簡の魅力に、ますます惹かれています。

プレゼンテーションの欧文書体には「Futura(フーツラ)」というフォントを使いました。Futuraの意味はラテン語で「未来」。一番こだわったのに、なんと私のMacbook PCがプロジェクターにつながらない!という事実が1日目に判明(Windows PCも持ってはいるのですが、そうするとFuturaは表示できないのです)。私の講座は2日目だったので、急遽家族の者にアダプターを購入してもらい、そのおかげで無事Futuraを使うことができました。参加者にとってはどうでもいい些細なことかもしれないけれど、、、。

またどこか新しい場所で、新しい人と、新しい木簡をつくっていけたら、もちろん木簡でないほかの本づくりでも、興味のある方ぜひともご一報いただければ、全力で力になります。

 

▪︎建築家・吉阪隆正×K2

今回のイベントの会場は、八王子セミナーハウス。面白い建築だと聞いていたので、ここを訪れることも楽しみのひとつでした。建築家・吉阪隆正+U研究室による設計で、目を引く、というか目が離せなくなるような逆ピラミッド型のコンクリート建造物は、施工から50年たった今でも圧倒的な存在感を放っています。一度見たら忘れられない奇抜な形なのに、なぜか見飽きない不思議な魅力はなんなんだろう。

 

そう思って購入したのが、写真下の本。本当はパンフレットを買うつもりだったのだけど、売切れのため本を買いました。吉阪隆正本人のエッセイがとてもよかった。真の学びとは何か、人が集う場所は何か、試行錯誤を経て具現化した建物が、この八王子セミナーハウス。

話は変わって、写真上の木簡は今回のワークショップの見本として持って行った木簡絵巻『K2』。ヒマラヤ山脈にある世界第2位の高峰(8611m)で、見たことはないけれど大好きな山です。

先程の本の最後、吉阪隆正のプロフィール欄をみて驚きました。
「建築家にとどまらない活動は、教育者、探検家、ヒマラヤ K2をめざす登山家、・・・」
「1963年 逝去 遺骨の半分をK2に分骨」

K2登山をめざしながらも叶わず、その後早稲田大学の登山隊が登頂した際にピッケルとともに散骨されたそうです。この場所にK2木簡を持っていけたなんて!たくさんの発見のあった今回のイベントの最後の最後に、こんなミラクルが待っていたなんて!もしあのとき本を買わなかったら、そんなことは全く知らず通り過ぎていたことでしょう。

多くのことに恵まれた2日間、主催してくれた人達、出会った人達、そして吉阪隆正にも深く感謝したい。50年たった今でもその建築の精神は建物に残り続け、人に引き継がれ、その中で新しい出会いや発見がうまれている。いつか憧れのK2を、この目で見てみたい。

 

▪︎リスク×誠実

小学校卒業の日に、担任の先生からの最後のメッセージとしてもらった言葉は「誠実」でした。当時はよくわからなかったその意味が、人生を重ねるにつれて重みを増していきます。

今回、ある有名なリサイクル会社のお話を聞かせてもらいました。企業の起死回生の話なのですが、風評被害による地域住民の反対運動により傾いた会社を立てなおすための事業転換、そして地域住民への理解を得るための数々の行動。その一つ一つの行動の徹底ぶりがハンパない。リサイクル事業にとどまらず、地域の人が集う場所をつくり、森を再生し、さらには神社までをもつくってしまうというのです。生の声に応える誠実な姿勢に、心打たれました。誠実を貫くには、ときに大きなリスクがかかるということ。

この2週間、自分のワークショップの準備をしながら、正直たった2時間のために何をこんなに時間をかけてやっているんだろうと思わなかったわけでもありません。「まあいっか!」という甘い誘惑。そんなグズグズした気持ちを救ってくれるのはいつも、大学時代の先生の言葉。「何よりも大事なものは時間。チマチマした実験はしなくてよろしい」。27人の2時間をもらうという責任と感謝。たとえ全然よくなかったとしても、無難にやり過ごすくらいなら華々しく失敗したほうがいいじゃないか。と、思い切れるほどの度胸はまだないけれど、よかったよと伝えてくれた人に、私こそ心からの感謝を申し上げたい。

 

 

以上、レポート②おわりです。
もっと長い感想を書いたのですが、長すぎて削除!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!